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<企画>中国経済を変えるシェアリングエコノミー、そのメリットと課題

人民網日本語版 2017年03月23日10:16

 

 シェアリングエコノミーとは、社会に大量に存在する遊休資源をプラットフォームに集積して、需要と供給の橋渡しをし、資源の経済的価値と社会的価値を刷新することを指す。

 インターネットプラットホームを利用するシェアリングエコノミーは、眠っている資源の所有者とそれを必要とする人をうまくマッチングさせ、資産を活用することで使用効率を向上させ、社会全体の持続可能な発展を促進する。

 

 ■ モバイルデバイスやSNSの普及時代ならではの産物

 シェアリングエコノミーは、モバイルデバイスやソーシャルネットワーク(SNS)の普及時代ならではの産物であり、その発足・普及の背景にはインターネットやスマートフォン・タブレット端末の普及などテクノロジーの発展がある。シェアリングエコノミーは従来のビジネスの前提を覆すだけでなく、ソーシャルビジネス的な意味合いから将来社会における人間の経済活動のあり方自体を見直させるような要素を含んでいる。  

 シェアリングエコノミーの嚆矢は2008年に開始された「Airbnb」である。この新しいビジネススタイルは14年以降、中国のさまざまな業界に浸透し、瞬く間のうちに拡張期に入った。 

 ■ ユニコーン企業を生む新たな経済分野 一層の発展の見込み

 中国科学技術部(省)トーチセンターの張志宏センター長は、「現在、中国の経済はニューノーマルに入り、今は発展スタイルや新旧の成長エネルギーが転換する重要な時期。中国政府が『大衆による起業・革新』を掲げた政策を実施しているのを背景に、爆発的に成長するユニコーン企業(企業評価額が10億ドル以上のベンチャー企業)が、経済を中・高速で、ミドル・ハイエンドに向かって成長させる重要な原動力となっている」との見方を示す。シェアリングエコノミーは、ユニコーン企業を生む新たな経済分野。 

 2017年の政府活動報告でも「シェアリングエコノミーの発展を支持、誘導し、社会資源の利用効率を高め、人々の生活を便利にする」と、シェアリングエコノミーを今後1年間の政府活動の重点として挙げられた。

 シェアリングエコノミーはすでにさまざまな分野や細分化された市場に浸透していった。

 多くの中国の都市では、「1キロほどの短い距離」を移動するための公共交通機関に対するニーズが常に存在している。摩拜単車(Mobike)や北京拝克洛克科技(ofo)に代表されるシェア自転車は、この需要を狙い、昨年から中国で爆発的な増加をみせている。

 摩拜とofoは融資を複数回受けており、摩拜が20億ドル(約2260億円)、OFOが10億ドル(約1130億円)という時価総額でランキング上位に立っている。さらに、ofoは1日、4回目の融資となる4億5000万ドル(1ドルは約114.1円)を得たことを発表し、シェア自転車企業として1回で受け取る融資の最高額を記録し、同業界で企業評価額が最高のユニコーン企業となった。

 米アップル社のサム・クック最高経営責任者(CEO)はこのほど中国発展高層フォーラムの2017年年次総会に出席した後、ofoを訪れ、同社の運営する自転車シェアリング事業のシェア自転車に乗り、高い関心を示した。

 現在、マンションを長期間賃貸して部屋をシェアするのが一線・二線都市の若者に人気のスタイルだ。コンサルティング大手の米マッキンゼー・アンド・カンパニーが発表した「中国シェアリングエコノミー消費者調査研究」によると、中国のインターネット上の短期賃貸契約によって毎年活用される個人所有の遊休不動産資源は約120万平方メートルに上り、増加率は20%を超えるという。

 不動産資源シェアプラットフォームの開祖Airbnbは、15年末現在、世界に1億2千万戸の不動産資源を持つ。同サイトが市場を掘り起こし、中国では途家、小猪短租、YOU+などのプラットフォームが雨後の竹の子のように次々誕生した。途家の共同創業者で最高経営責任者(CEO)の羅軍さんは、「シェアリングエコノミーは需給両サイドの橋渡しの問題を解決し、大量の遊休不動産を活用し、不動産市場の在庫削減の革新的モデルになった」と話す。

 知識のシェアも16年に大流行した。昨年5月にはQ&Aスタイルの知識共有アプリケーション・分答がオンラインで開設されてからわずか24日間でAラウンドでの資金調達を達成し、同様のアプリ・知乎も「知乎live」機能を打ち出した。

 これまでに述べたような人気分野のほかにも、シェアリングエコノミーでは金融、家事、教育、物流などの産業も頭角を現している。資産運用の陸金所や人人貸、食事サービスの阿姨厨房、教育サービスの老師幇、生活サービスの京東到家などは、いずれもよく耳にするO2O(オンラインツーオフライン)ブランドだ。またシェアリングエコノミーはアパレル分野にも進出し、租衣日記、魔法衣▼(木へんに厨)、無●(りっしんべんに尤)美衣などの衣類レンタルプラットフォームが勢いよく誕生し、中国の細分化されたファッション市場に狙いを定めている。

 

 シェアリングエコノミーは従来の経済の壁を打ち破り、サービス提供者と利用者がスピーディにコミュニケーションを取り合うことを可能とし、情報のバランスが取れているほか、社会で多くの遊休資源が活用されるようになった。そしてこれらがお金の貸し借りや外出の方法に変化をもたらすと同時に、遊休資源の利用率を大きく向上させた。

 シェア自転車の急速な発展に後押しされて、「斜陽産業」だった自転車産業が「2回目の春」を迎えた。

 昨年12月から今年3月にかけて、自転車メーカーの飛鴿が自転車シェアプラットフォームのofoに納入した自転車は80万台に達し、同社の年間生産量の3分の1を占めた。ofo関連部門の責任者は、「飛鴿をはじめとする伝統的自動車メーカーとの協力を通じて、新しい原動力によって古い生産能力を活性化し、供給側構造改革を加速させる」と述べた。

 同じく自転車シェアプラットフォームの摩拜単車とofoがさきに発表したデータによると、摩拜の供給チェーンは天津愛瑪科技、富士康、自社製造工場をカバーし、2017年の生産量は1560万台に上る見込みだ。ofoは主に天津富士達自行車、飛鴿、上海鳳凰自行車のサプライヤー3社をカバーし、17年の生産量は1780万台に上る見込み。この両プラットフォームだけで今年は3千万台以上の自転車を生産するということになる。

 絲路智谷研究院の梁海明院長は、「シェアリングエコノミー流行の核心は、『物はその用途を全うし、人はその才能を全うする』というところにある。未来にはあらゆる資源がこれまでのような仲介機関・サービスに対する依存から脱却し、最良の配置が追求されてコストが下がり、シェアリングエコノミーが新しい経済の原動力を生み出すものと期待される」と話す。

 国家情報センターのシェアリングエコノミー研究センターはこのほど発表した「中国シェアリングエコノミー発展報告2017年」によると、中国のシェアリングエコノミーは、経済発展の新たなエネルギーを育成し、革新を誘導し、雇用を拡大する上で重要な貢献を行っている。報告の試算では、2016年の中国シェアリングエコノミー市場の取引額は約3兆4520億元(約56兆9001億円)に上り、前年に比べて103%増加し、市場参加者は前年より1億人増の6億人に上って、関連のプラットフォームに就職した人は約585万人に達したという。

 

 経済発展や消費理念の変革に伴って台頭した新業態であるシェアリングエコノミーは、他のどの新興産業と同じく、初期に巨額の資金投資が必要であることや体験に対する高い要求、取引の信頼性や安全性、政策によるモニタリング・管理などの不十分さ、地域によって変える必要のあるそのスタイル、收益の価格に対する敏感性など、その発展の初期には必ず多くの課題にも直面する。 

 メーカー、プラットホーム、消費者が皆別々の場所でも、消費が実現できるというのはインターネット経済の魅力であるものの、消費者の権利保護やそのモニタリング・管理という点においては、多くの課題をもたらしている。

 消費者網の苦情報告プラットフォームがまとめた最新の統計によると、16年にはネットの自動車予約産業が苦情の集中する新たなホットポイントになった。苦情が最も多かったのは、費用の支払いに関する問題で、価格設定メカニズムが不透明、ピーク時期にはみだりに値上げが行われるなどのトラブルが頻出したという。

 最先端のシェア自転車も同じように問題が絶えない。各大手プラットフォームでは保証金が返金されて口座に振り込まれるまでが遅いとか、資金の不足によって監督管理に問題が生じているとかいったトラブルが次々に発生した。

 シェア自転車はメーカーにとっては朗報だが、小売店には打撃だ。広州市の自転車チェーンの責任者は、「シェア自転車の影響で、自分の経営する店が2カ所閉店に追い込まれた。私のみたところ、広州の大部分の自転車小売店は売り上げが軒並み減少している。特にロークラスの自転車の販売が大きく減少した」と話す。

 無秩序な駐停車やレンタル自転車を痛めるといったマナー違反行為もしばしば見受けられる。

 インターネットを利用した民宿予約の業界を例にすると、関連業者の民宿に対するチェックは、多くの場合、民宿のオーナーがアップしている部屋の写真などが頼りで、宿泊施設として提供できる条件が整っているのか、消防設備は整っているのか、実際の位置、アクセスの便利度、記載されている設備や施設などの状況は事実に則したものなのかを実際にチェックするのは難しい。

 

 

 ネット予約車の場合、16年以降に政府当局が監督管理を強化してきいる。交通運輸部(省)は複数部門と共同で「ネット予約タクシーの経営サービス管理暫定規定」を発表し、ネット予約車をタクシー産業の体系に組み込み、ネット予約車のプラットフォーム、運転手、車両に対し参入制限を設けると同時に、地方政府に権限を移譲した。

 シェア自転車の無秩序な駐停車が引き起こした都市管理の問題について、広州市社会科学院のポン研究員(ポンは膨のつくり)は、「法律法規と関連の政策はいつも新興の事や物に遅れて登場する。まず一連の地方レベルの法規を打ち出すことを提案する」と話す。

 政府関連当局など多方面が努力を重ねるほか、シェア自転車プラットフォームの多くも次々に措置を打ち出す。摩拜は信用スコアや実名制などの方法を通じて正しいシェアリングを奨励し、迷惑行為を抑えている。ofoはアント・フィナンシャル傘下の芝麻信用と戦略的提携を結び、条件を満たした人には保証金無しで自転車を貸し出す。小鳴単車の陳宇瑩CEOは、「プラットフォームを運営する企業は駐停車についての取り組みをしっかり行う責任があり、政府に責任を押しつけてはならない」との見方を示す。

 シェアリングエコノミーの発展はシェアリングの精神による支えと切り離せない。現代の社会では、どのような出来事も観念、行為、制度、技術などさまざまな要因がともに作用しあった結果としてそこに存在する。一つの考え方を現実のものにしようとするなら、技術に頼るだけではうまくいかない。「素晴らしいアイディア」を真に輝かせ、持続可能なものにするには、観念や思考といった精神的要素による支えが必要だ。シェアリングエコノミーにシェアリング精神の支えがなければ、歩き出すことは難しく、歩き出したとしても遠くまで行くことはできず、早々に倒れ伏すことになる。(編集JZ)

 「人民網日本語版」2017年3月23日

 

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